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大学病院の緩和ケアを考える会 設立趣意書 |
代表世話人 高宮有介
テレビや新聞、雑誌などのマスコミでも、安楽死・尊厳死・ホスピスに関する特集が増えており、一般の人々の死や終末期医療に関する関心は急速に高まっています。 しかし、その反面、医療者、特に医師の末期癌患者さんへの対応は遅々として進んでいないのが現状です。それは、多くの医師の根底に「生は勝利で、死は敗北」といった概念が根強くあるものと思われます。そういった医師の意識を変えていくためにも、大学病院はターミナルケアのモデルとされるホスピスとは対極とみられがちですが、大学病院でこそ緩和ケアの活動を推進していく必要があり、またある意味で、緩和ケアにおける大学病院の役割があると考えます。大きくは二つあります。一つは教育です。日本でもホスピス・緩和ケア病棟が増加していますが、実際に多くの患者さんが亡くなっているのは病院です。将来、ホスピス病棟が各都道府県にできたとしても、病院での死が、多くを占めるでしょう。そこで必要なのが、一般病院の医師・看護婦への教育です。第二に研究も重要です。緩和ケア・ターミナルケアというと、何か精神論で片づけられてしまいますが、学問としての確立が望まれます。 以上のような意味で、教育・研究を担う大学病院で緩和ケアをすすめていく必要性を強く感じています。また、教育や研究を論じる以前に、実際に多くの患者さんが大学病院に入院し、亡くなっているという現実があり、大学病院での緩和ケアの整備は急務と考えます。 さて、私共は平成2年に「大学病院のターミナルケアを考える会」を創設し勉強会を持ちつつ、過去に3回全国規模で「ターミナルケア・フォーラム」を開催してまいりました。この蓄積を生かすためにも、フォーラムに集まった人々を中心に会員を募り、「大学病院の緩和ケアを考える会」を組織し、全国の大学病院と連携をはかりより充実した会にしたいと考えております。私共が考えております緩和ケアとは、ターミナルケアやホスピスケアと一線を画するものではなく、患者の持つ身体的、精神的、社会的、スピリチュアルニードを援助し、家族を含めて支え、チームで関わっていく全人的なアプローチであり、今医療に求められている全人的なアプローチを大学病院の場でどうしたら実践しうるか考えたいと思います。 会の目的 1) 大学病院内の緩和ケアの推進 ・緩和ケアの教育、啓蒙 ・チームアプローチの推進 ・緩和ケアチームの創設 ・緩和ケア病棟の開設 ・その他、緩和ケアの推進に必要な活動 2) 大学病院としての緩和ケアの役割の推進 ・医学生、看護学生への教育 ・研究としての緩和医学の確立 ・緩和ケアを評価し、その確立を目指す 以上 |